世界は突如、壊れてしまった。なんとかして元に戻さないと。

かろうじて息をしていた小さきものたちは集まって、できるだけ寄り添い、不安をかき消すように大きな塊になった。
彼らが知っているのは「数字」だった。
かつて彼らは数字羅列により形作られたモノだった。
彼らができることはただひとつ。
数字により世界を作り変えること。
小さきものはまず「1」の形になった。そこへ徐々にキラキラとした何かが集まってきた。
煌めく何かは彼らの知らない形や色になって「1」に集まってきたのだ。
それはまるで安息の地を求めて助けを求めるかのように、「1」に寄り添って息をし始めた。
ひとつは微生物のようなものに、またひとつは化石のように、ひとつは溶岩の如く熱くなった。
やがてそれらはひとつの大きな塊となり、「1」は地底の息吹を取り戻した。
こうして小さきものたちは、あの世界を取り戻す一歩を踏み出したのだ。

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